02年9月30日 『将太の寿司』
をまた買ってしまう。講談社マンガ文庫、寺沢大介。御都合主義だし、蘊蓄だし、寿司職人の主人公はやたらいい奴で優等生で頑張りやでしかも「天下に名だたる天才少年」だし、登場人物はみんなその過去にお涙頂戴の人情話を抱えていて、これでもか、これでもか、と語る語る。クサイ。とてつもなくクサイ。でもついつい買って読んでしまって涙ぐんでさえしまうのは何故。

02年9月29日 日曜日だけど
「短期テーマ」特別講義ということで、「論述入門」の講座2コマを横浜校で担当。初めて顔を合わせる生徒と向かい合っての授業は、いつまでたっても緊張するもんである。教育実習で最初の授業をやった時の恐怖と興奮が未だに蘇る。まあ、それは決して悪いことではないと自分では思っているのだけど。「入門」にしては難度の高い問題もあえて入れたので、どうだろうと心配したが、受講生の評判はまずまずだったようで一安心。

02年9月28日 上智青山立教明治予想問題集
の打ち合わせ兼、原稿の仕上げを渡辺先生とともに河合出版の会議室で行う。不足分の問題解説の作成やら、採用する図解の打ち合わせやらをほとんどノンストップで作業。二人ともくたくた。でも、原稿は全て上がった。当人が言うのもなんですが、なかなか良い問題集になると思う。12月初旬には発売予定。

02年9月26日 「奇妙な果実」
南北戦争後のアメリカ南部の黒人差別問題の教材として、黒人女性ジャズシンガーのビリー・ホリデーの絶唱、「奇妙な果実」を紹介。「15歳の少年と13歳の少女の火遊びの結果、祝福されることなくこの世に生をうけ、10歳で強姦され、14歳で娼婦に身を落とし、売春罪で投獄され」「少女時代から麻薬のとりことなり、逮捕投獄を繰り返し」(平凡社百科事典、油井正一)たというその生涯も凄ければ、リンチを受けてポプラの木の枝に吊るされた黒人の死体を唄ったその曲も凄い。アメリカ合衆国の闇の深さと、にもかかわらずのその眩さを思うと、凝然とすることしばし。

02年9月25日 10年間の時代の変化に涙する
まんまゴミ箱状態の部屋の片付けを決意し、まず不用品を処分することだと考えて、使わなくなっていたパソコン用13インチモニタと初代パワーマック機を中古品専門店に持っていく。が、値段はつかなかった。ジャンク品として引き取ってもらう。モニタは10年前に初めてマックを買ったときにセットで一緒に買ったアップルの純正品で、純正品で贅沢な部品を使っているのだろう。今でも当時そのままの機能を維持している。でも今やモニタは15インチからが当たり前で、17インチに主流が移り、ブラウン管に代わってコンパクトな液晶モニタの普及が著しい。かくいう私もブラウン管だが、19インチのモニタをメインで使用している。13インチのブラウン管モニタなんて、最近は殆ど見ないし、あっても下手をすると1万円代の値札がついている。だから、10年ものの13インチモニタがジャンク品としてしか引き取ってもらえないことには充分納得できる。理性では。でもね、このモニタ、買ったときには20万円以上したんだぜ。

02年9月24日 hentaiは強し
生徒からのメールで、karaokeがhentaiと拮抗しているとの情報を得る。ただし、ややhentai優勢か、とのこと。頑張れkaraoke。

02年9月23日 三連休三日目
昨晩は小児ぜんそくで次男が寝つけず、結局深夜4時(早朝、だろうか)まで発作の度に背中をトントンと叩いたり(少し楽になると病院で教わった)、さすったりで睡眠が極度に不足。祝日や盆暮れ正月に関係のない受験生に合わせた仕事(今年度の年末年始の休みは大晦日と元旦の2日だけ)なので、当然そのまま出勤。。。

02年9月22日 三連休二日目
長男が奇跡の回復をみせたと思ったら、次男の小児ぜんそくが悪化。

02年9月21日 三連休初日
2週連続の三連休初日、といっても私は月曜日は2週連続で仕事だったりするのだけど、長男が発熱。休日の予定が全てふっとぶ。

02年9月20日 続北朝鮮関係
AERAの訪朝直前特集号を本日購入。拉致被害者の家族のインタビューがいずれも、いよいよ再会の日が来るというニュアンスで締めくくられていました。結果を知ってから読むことになったため、余計に胸が痛みました。難民救援運動を展開してきた李英和関西大学助教授らは、国家機密を知り得る立場にいる人々を死亡と偽って発表したのであって、実際にはまだ生存している可能性があるのでは、とコメントしています。従来のかの国の対応から充分ありえることと思うし、またそうであって欲しいとも思うのですが、今回についてはここまで追い詰められたかの国にその謀略をめぐらす余裕があるのだろうか、と、ついつい悲観的になってしまってます。

02年9月19日 北朝鮮関係
ここ数日、胸が塞がれる思いで北朝鮮関係のニュースを追いかけてます。冷静な評価を下せるのは、もう少し情報が出そろってだと思いますが、北朝鮮がなぜ拉致事件など起こしてしまうようなゆがんだ国家だったのか、についての分析は、もうさんざんされてきてます。とりあえず北朝鮮を知るための入門書を何冊か紹介しておきます。80年代、北朝鮮に関して、一般にほとんど関心が持たれていなかった頃から、北朝鮮に関する問題を提起してきた関川夏央の『退屈な迷宮−北朝鮮とは何だったのか』(新潮文庫)、社会学者橋爪大三郎の分析が冴える『こんなに困った北朝鮮』(メタローグ社)、北朝鮮留学経験を持つ李英和の『北朝鮮収容所半島』(小学館)、「赤旗」特派員として平壌に赴いた体験から、北朝鮮への帰国運動の悲劇を描いて大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した萩原遼の『北朝鮮に消えた友と私の物語』(文春文庫)。

02年9月17日 それはちょっといやだ
授業のネタで、ナポレオン3世第二帝政中に開催された二回のパリ万国博覧会のうち、1867年に日本の出展があり、これをきっかけにジャポニズム(日本趣味)が流行。江戸の庶民のサブカルチャーであった浮世絵がフランスでもてはやされ、その技法がヨーロッパの画家たちに衝撃を与えて印象派の成立に決定的な影響を与えた、という話をした後、歴史は繰り返すで現代の日本のサブカルチャーであるマンガ・ゲーム・アニメがフランスの若者などに流行して第二次ジャポニズムとなっている。で、第一次ジャポニズムの陰には春画の存在があり、第二次ジャポニズムの陰には18禁もののマンガ・アニメ・ゲームがあって、18禁の絵を「hentai」と称す。今や国際語である。数年前にインターネットの検索ページでhentaiを入力したら、数万件のヒットがあったという話を紹介。それで自分でも今はどうなんだろうと気になって、インターネットの代表的な検索ページであるGoogleであらためて検索してみたらば、なんと、約196万(ひゃくきゅうじゅうろくまん)件のヒットを記録。これがどういう数字かというと、オリンピック競技になっている柔道(judo)で75万2千件、日本イメージの元祖芸者(geisya)で28万2千件、能(noh)16万6千件、狂言にいたっては6千8百件。人物だと、Ichiro23万2千件、Nakata15万7千件、浜崎あゆみ17万8千件、宇多田ヒカルで14万9千件。
皆さん。インターネット上で一番使われている日本語は、hentaiのようです。

02年9月16日 世の中は三連休
で、息子たちも三連休。なのに父は仕事がある。来週もそうだったりする。連続はちょっと勘弁して欲しい。この場合、国に文句を言うべきか。それとも・・・

02年9月15日
をリニューアルというか、抜本的に変更してしまおうという計画が進行中。上智・青山・立教・明治の予想問題集になる予定。

02年9月14日 山登り中止
本日は月一度の保育園主催の山登りの日、だったのだけど、昨日からの雨で中止。そこで代わりに息子たちと徒歩数分の場所にあるスイミングセンターへ。腰にはまだ不安感が残るものの、運動不足と体重増がぎっくり腰をまねいたのも確かなので、少しづつトレーニングもせねばと。でも夕方にはご近所のホームパーティーにまねかれ、ついつい暴飲に暴食を重ねてしまう。もとのもくあみという。

02年9月13日 アイルランド問題の
教材として、アイルランド紛争を背景としたアイルランドのロックバンドU2の「SUNDAY BLOODY SUNDAY」を使用。この曲は1972年1月30日、北アイルランドにおいてアイルランド系カトリック住民に対する差別に反対し、イギリス系プロテスタント住民と同様の公民権を要求する若者を中心としたデモ隊に、イギリス軍が無差別発砲を行い、13名が射殺されたBLOODY SUNDAY事件に取材している。今年は事件発生から30周年記念であり、昨年「千と千尋の神隠し」が、ベルリン映画祭のグランプリを受賞した時、同時受賞したのはこの事件を描いた「BLOODY SUNDAY」で、僕のアンテナにも随分BLOODY SUNDAYがひっかかってきている。中でも興味深かったのが、宇都宮徹壱という、サッカーを材料に民族問題を考えることをテーマにしている写真家の。ここでは北アイルランド唯一のカトリック系サッカーチームが、BLOODY SUNDAY事件でどのような運命をたどったかが紹介されている。一度訪ねてみてください。

02年9月12日 ひとめぐりして
授業後半の完成シリーズの1周目終了。夏を越して久々に顔を合わせた生徒たちに、「先生太った?」と言われ続ける。はい、太りました。ぎっくり腰やって動けなかった間に、またまた太ってしまったような気もする。このままではいか〜ん。

02年9月11日 文化史はつらいぞ
またほんの少しだけ文化史の教材を更新。現代文学史に関しては、人物編も準備できてないので、やたら時間がかかる。の二人について調べてるだけで、ほとんど1日が終わってしまった。

02年9月9日 『ツタンカーメン』
山岸涼子(聖徳太子を題材にした『日出処の天子』であまりに有名なマンガ家)の『ツタンカーメン』の1・2巻が出ていたのでゲット。タイトルから、当然ツタンカーメンを主人公とした古代エジプト物だと思っていたら、ツタンカーメンの墓の発掘者であるハワード・カーターを主人公とした作品だったのでちょっとびっくり。ツタンカーメンがラムセス2世が作成させた王名表に名が載っていない、当時は実在すら疑われていた謎のファラオであったことは知らなんだ。受験情報的にはツタンカーメンは、アメンホテプ4世(イクナートン)が開始したアトン神改革に挫折し、アモン神信仰に復帰したファラオとして出題される。それにしても早く続きの3巻が読みたい。

02年9月8日 英雄たちをつくった近代
名古屋から帰る車中で、購入しておいた『エロイカの世紀』(樺山紘一、講談社現代新書2002)読了。筆者の樺山紘一は東京大学の教授を経て現在国立西洋美術館の館長。中央公論社の世界の歴史シリーズ16巻の『ルネサンスと地中海』の著者。流麗過ぎるくらい流麗な文章を書く人で、ナポレオン革命とベートーヴェンの交錯をテーマとする本書も非常に読みやすい。ただ、副題の「近代をつくった英雄たち」(こういうのは編集者がタイトルつけてるはずだけど)は、本書の趣旨からいえば、「英雄たちをつくった近代」であるべきなのでは。

02年9月7日 祝祭の持つ力について
興味が出てきたところで、『YOSAKOIソーラン祭り 街づくりNPOの経営学』(坪井善明・長谷川岳、岩波アクティブ新書2002)という本を発見。名古屋に向かう新幹線の車中で読了。YOSAKOIソーラン祭りは、20歳の大学生だった長谷川岳が、高知のソーラン祭りをヒントに10年前北海道で友人たちと始めた新しい祭りで、最初参加者1000人、観衆20万人だったのが、10年後の今日では参加者4万人、観衆200万人と日本でも有数な祭りに発展。そのYOSAKOIソーラン祭りとはどんな祭りなのか、何を目指しているのか、を解き明かしているのが本書。「街は舞台だ 日本は変わる」が、祭りのテーマ・キャッチフレーズだそうだけど、いや、こいつら本当に祭りで日本を変えようとしている。その意気や良し。これから大学生になる受験生諸君に是非読んでもらいたい本です。

02年9月6日 後期が始まったと思ったら
いきなり明日の土曜日と明後日の日曜日が午前中から会議。しかも明後日は名古屋で。体調を考え、明日の会議の後名古屋に直行して前泊することに決定。そうすると、2日間の会議の資料作りや準備は、今日やるしかない。夜10:00過ぎに帰宅し、今やってます。いつまでかかるか。

02年9月5日 いよいよ明日から後期開始
で、夏の間に完成するはずだった文化史教材はついにタイムアウト。しょうがないので、トップページの「今夏の目標」を一字だけ変更しました。全てぎっくり腰が悪い。(と開き直る)

02年9月4日 19世紀ヨーロッパ史
関係に興味の焦点が合ってきて『夢と反乱のフォブール 1848年パリの民衆運動』(喜安朗、山川出版、1994年)読了。1848年のフランス二月革命において、民衆蜂起が間近に迫っていたカーニヴァルのマルティグラ(謝肉祭最終日のフィナーレで、山車のパレードが行われる)のスタイルで行われ、人々を巻き込んでいったという指摘になるほど。現代でも、イギリスの民衆抗議行動が街頭におけるサッカーから始まるように、民衆蜂起をともなう革命が、祝祭との強い関連性を持っていることを明らかにしてきたことが、日本の歴史学の大きな成果で、本書もその系譜上にある。ウィーン体制崩壊をもたらした1848年の「諸国民の春」関連では、ウィーン三月革命を扱った良知力の『向こう岸からの世界史』(ちくま学芸文庫1993、初出は未来社1978)と『青きドナウの乱痴気』(平凡社1985、著者の絶筆)や、その研究を継承発展させた『ビラの中の革命』(増谷英樹、東京大学出版会、1987)など、お勧め。

02年9月3日 『トルコで私も考えた』
の3巻をやっとゲット。4pから8pの月刊連載なので、10年前から連載が始まってまだ3巻にしかならない。もっともっと読みたい、と飢餓感にとらわれてしまうようなエッセイマンガです。トルコ紹介本としても、異文化体験記としても、生活記録としても傑出してる。

02年9月2日 まだ腰に
違和感があって、長時間椅子に座ってパソコンに向かうとつらい。そういうわけで、文化史教材の作成が遅れています。