キケロ(前106-前43)

ギリシア思想やヘレニズム哲学をローマに紹介した学者で、雄弁家としても有名であると同時に、コンスルを経験し、ローマ転覆の陰謀を未然に防いで「祖国の父」と賞賛され、カエサルから第一回三頭政治への参加を呼びかけられたほどの大政治家でもあった。カエサルとポンペイウスの対立ではポンペイウスを支持してカエサルの政敵となり、カエサルの暗殺後は、アントニウスと対立してその支持者の手により惨殺された。代表作『国家論』は、おびただしい書簡や演説集とともにラテン語散文を確立したものとして高く評価されている。