エピクロス(前342-前271)

ヘレニズム期、快楽主義の哲学として知られるエピクロス派の創始者。ストア派のゼノンとほぼ同時期にアテネで活躍。多くの支持者を集め、存命中から神のごとく崇拝され、実際にその誕生日には盛大な祝祭が行われたという。組織的な学校に初めて女子の参加を許した哲学者としても有名。<生の目的は快楽である>と主張したが、その快楽は<放蕩者の快楽>ではなく、苦痛や混乱を去った心の平静こそが最高の快楽であるとし、この点では実はストア派の主張と近い。しかし、後世その主張は単なる卑俗な悦楽追究と誤解され、本来「エピクロス派の学徒」を意味した「エピキュリアン」は快楽趣味、食道楽、美食家、快楽主義者などの意味で使われ,平成日本ではついにレストランガイドの雑誌のタイトルにされてしまった。