ホラティウス(前65-前8)

ラテン文学黄金時代叙情詩人で、ヴェルギリウス・オヴィディウスとともに三大詩人と称される。若き日には共和政擁護の情熱と正義感の赴くままに、ブルートゥスの自由軍に参加して一隊の長となり、アントニウスやオクタヴィアヌスの軍隊と戦うものの敗北。天下のお尋ね者としてローマの裏町に潜伏の日々を送る。この経験が、彼にエピクロス哲学の徒としての人生への深い認識と、詩人としての鋭い観察眼をもたらすことになる。後に詩人として名をなした時、かつて彼が敵としたアウグス卜ウス帝の愛顧を受けてローマ近郊に荘園を与えられ、そこで現在でも広くヨーロッパ世界で愛唱される『叙情詩集』などの傑作を残した。