プラトン(前427-前347)

前4世紀に活躍したソクラテスの最大の弟子。この世界の現実は完全不滅な真実イデアの影に過ぎないというイデア説を説く。哲人政治を理想とし、『国家論』を著述。その人材育成のためにアカデメイアに学園を創設。しかしシチリア島シラクサでの実践の試みには失敗した。ちなみにプラトニック=ラブという言葉はプラトン的恋愛という意昧で、これは彼のイデア説が肉体より霊魂を上位 に置くものと解釈されたことからきた言葉である。ヨーロッパ中世の騎士道で貴婦人に対する純潔な恋愛として流行し現在にいたるが、実際の彼は少年愛の人であったという説がある。
プラトンが学園を設立したアカデメイアは、もともとアテネの郊外に三つあった体育場(ギムナシオン)の一つの所在地(アリストテレスが学園を設立したリュケイオンもそうだ)。で、こうした体育場は、若い男たちが全裸で競技に打ち込み、若くない男たちがそれを見物し、男どうしのあいだの情熱的な愛情関係が生まれる場でもあり、それはしばしば肉体的に成就され、アテネの生活のなかで重要な役割を担っていた、と、僕のてもとにある『歴史の都の物語』(クリストファー・ヒッパード著。原書房。1992)に書いてあるんですけど。