*バクーニン(1814-76)
ロシア貴族の子として生まれ、パリに出奔してプルードンやマルクスと親交を深め、プルードンの影響下に無政府主義思想を形成。1849年にドイツで暴動を指揮してシベリア流刑となるが、1861年に脱走。68年にロンドンに渡り、第一インターナショナルに加盟した。しかし、国家を逆用して国家権力をプロレタリアートで独裁することで社会主義を実現しようとするマルクスと、国家を否定することで人間の自由が達成されるとするバクーニンとの対立は明らかで、パリ=コミューンの評価を巡って72年に除名された。暴力的手段によってでも国家権力を絶滅させるべきとし、その手段として農民と下層市民の武装蜂起を期待したその思想はロシアのナロードニキ運動とそれを継承した社会革命党や、フランスのサンディカリズムやイタリア・スペインの革命運動にも影響を与えた。