ケネー(1694-1774)

フランスの外科医にして重農主義経済学の創始者。社会科学としての経済学は彼の『経済表』に始まると言われる。はじめは外科医として名声を博し、ルイl5世の愛人ポンパドゥール夫人の侍医となり、後にはルイ15世本人の侍医ともなった。経済学者としての出発はディドロの編集する『百科全書』への執筆に始まる。フランス各地を旅行して農業荒廃の現実を知り、国家の富の源泉を農業生産に求め、経済統制を説く重商主義を批判してレッセ=フェール(なすにまかせよ)を標語に農産物の自由取引や農民の減税を主張した。