マーク・トウェイン(1835-1910)

トムソーヤの冒険』『ハックルベリ−・フィンの冒険』などであまりにも有名な、アメリカ国民文学の創始者。本名はサミュエル=ラングホーン=クレメンズであり、船乗り言葉で“二尋”を意味するこの筆名は、南北戦争勃発まで子供時代より憧れていたミシシッピ川の水先案内人をつとめていたことに由来する。南北戦争勃発で職を失うと新聞記者に転じて活躍し、一方で小説の執筆を開始。最初の作品は南北戦争後、グラン卜大統領のもとで腐敗したアメリカの現状を痛烈に批判した『金メッキ(金ピカ)時代』である。この「金メッキ時代」という言葉は,そのまま南北戦争後の社会矛盾が拡大した時代風潮を示す歴史用語となり、ついに東京書籍の世界史Bの教科書にも登場。入試でも出題例があるので要注意。富豪の娘と結婚し、国民的作家として尊敬を集めて大邸宅を構え、専用列車で旅行するような生活をおくるが、作品やこの生活から想像されるものとは裏腹に、晩年は打ち続く家族の不幸もあって、暗い性格と人間観の持ち主になっていたという。