墨子(前480頃-前390頃)
墨家の祖。伝記は不明。『墨子』という書で、その思想が伝えられている。儒家の仁を人為的と批判して兼愛(無差別の愛)・交利(相互扶助)・非攻を説いた。ところでこの非攻は反戦平和主義とよく誤解されているが、専守防衛主義と考えたほうがいい。墨家は戦国時代最強の戦闘集団であり、ろう城戦などの防衛戦争に雇われては活躍していたことが今日明らかになっている。ちなみに酒見賢一がその辺りの事情を『墨攻』に描き、その昔少年サンデーに『青空ショッテイ』というゴルフマンガを描いていた森秀行がマンガ化して小学館漫画賞を受賞した。傑作である。またこの派は庶民・奴隷からも人材を登用する「尚賢」を説き、下層出身者が多かった。