*ロバート=オーウェン(1771-1858)
イギリスの空想的社会主義者。小手工業者の家に生まれ、10代で商店の奉公人となり、そこから身をおこしてついにニューラナークの紡績工場の経営者となる。経営に手腕を発揮し「綿業王」として人々の尊敬を集め、立志伝中の人物とみなされる一方で、労働者の環境改善や子弟の教育に積極的に取り組み、ニューラナーク工場に幼稚園を併設した。1825〜29年に私財を投じてアメリカに共産社会「ニューハーモニー」を建設したが失敗して財産を失い帰国。自らも労働者階級の一員となって、著作で私有財産制や既成宗教の批判を繰り返し、1833年の一般工場法の制定に影響した。33年に全国労働組合連合を組織することに成功したが、内部分裂と政府の弾圧で34年には崩壊した。その後はチャーティスト運動のような政治運動からも離れ、晩年は困窮の中で没した。