鳩摩羅什(350-409)
インド人を父とし、クチャの王の妹を母とする。九歳の時母と共に出家してインドのガンダーラ地方に留学し、最初当時クチャで有力だった小乗仏数を学んだのち、竜樹<ナーガルジュナ>の完成した大乗仏教の教えに接して大乗に転向。クチャ帰国後は大乗仏教の教えの普及に努め、名僧としての評判を中国にまで響かせる。その結果、道安の示唆を受けた符堅は西域に派遣した遠征軍に彼を捉え、連れ帰ることを厳命。前秦の遠征軍がクチャを攻略するや、捕虜となり、中国に連れ去られてしまう。中国では特に仏典の漢訳を積極的におこない、中国仏教、ひいては日本の仏教の確立に最大級の貢献をなした。