カスティリオーネ(1688-1766)
中国名郎世寧。イタリアはミラノ出身の画家・イエズス会士。清朝宮廷が西洋画家を求めていることを知り、志願して中国に渡って、康熙・雍正・乾隆の三代に仕えた。1723年の雍正帝のキリス卜教布教禁止の際にも、その画技が認められて雍正帝に保護され、キリス卜教徒迫害の緩和に貢献した。またべルサイユ宮殿を模したバロック風の離宮、円明園の設計も担当している。中国趣味がイエズス会宜教師らによって欧州に伝えられ、バロックにかわるロココの成立を見たことを考えれば、これは歴史の皮肉である。