フランシス=ベーコン(1561-1626)

イギリス=ルネサンス期最大の哲学者・政治家。政治家としてはエリザベス女王にはうとんぜられ不遇であったが、次のスチュアー卜朝のジェームズl世の治下には大法官にまで出世。しかし、汚職事件をひきおこし、一切の官職・地位を奪われた上、一時ロンドン塔に幽閉された。その後は領地に隠れ住み、勉学と執筆活動に専念。主著『新オルガヌム』は観察と実験による帰納法の重要性を説いて、イギリス経験論哲学の幕開けとなり、近代科学の方法を確立したものと称賛される。自身も実験にいそしみ、雪中でうさぎの冷凍の実験をして肺炎になって死んだ。シェークスピアの作品は、実際にはフランシス=ベーコンの手によるものではなかったのか、というシェークスピア=(イコール)ベーコン説でも知られる。