宋応星(1590-1650)
明末の学者で代表的技術書『天工開物』の著者。江西省の出身で科挙のうち、郷試に合格して地方官となる。地方官としてははなはだ優秀で、業績を上げ、庶民の人気も高く、なんと肖像が作られて神様として祭られたというエピソードが知られている。『天工開物』は、キリス卜教宣教師たちにより西洋科学書が次々に翻訳されていた時代背景のもとで生まれたが、内容に関しては西洋科学の影響はあまりなく、中国在来の産業技術のほとんど全てに関して、豊富な挿し絵とともに説明を加えたものであり、当時の産業技術の資料として貴重なものとなっている。