シェリング(1775-1854)

カン卜が創始しフィヒテが展開したドイツ観念論哲学の代表者の一人。15歳でチューリンゲン大学に入学を許された早熟の天才で、ここで5歳上のへーゲルやヘルダーリンと友情を結ぶ。自我と自然の合一を主張する同一哲学を主張するが、はじめは彼の影響下にあったへーゲルが弁証法哲学を大成するとドイツ哲学界におけるその存在は薄れてしまった。へーゲルの死後、へーゲル批判を明らかにするが、へーゲル哲学全盛の中ではもはや影響力を持つことはなかった。