出題年:1992年
出題校:京都府立大
問題文
宋代の中国文化の特色について、唐代の文化と比較しながら、学術・文学・宗教を中心に述べよ。なお、記述にあたっては下記の語句を必ず使用し、使用箇所に下線を引いておくこと。(300字程度)

編年体 四六儷体 浄土宗 訓詁学
王安石 士大夫 詞

解答例
唐代が国際色豊かな貴族文化であったのに対し,宋代では中華色が強く,担い手も新興の士大夫となり,都市の庶民文化も勃興した。学術は,儒学では経書の字句注釈中心の訓古学にかわり宇宙論を展開する宋学がおこり,君臣関係を正す大義名分論や華夷の別を重視した朱子学が大成した。歴史では編年体の通史として司馬光が『資治通鑑』を著した。文学書体では対句を多く用いる四六駢儷体に代わり,唐末から復興した古文体が欧陽脩や王安石などの活躍により普及した。韻文では唐詩に対して楽曲の宋詞が生まれた。仏教では唐末から普及した浄土宗が民衆層に,禅宗が士大夫層に浸透した。道教では金朝下で儒・仏・道を調和した全真教が成立した。
(297字)