ワーグナー(1813-1883)

楽劇を創始し、多くの北欧神話にもとづく歌劇を作曲してドイツ=ロマン派を大成した音楽家。代表作は「神々のたそがれ」「トリスタンとイゾルデ」など。51歳の時南独バイエルンの青年王ルードヴィヒ2世(狂王として有名)に国賓としてミュンヘンに招かれた頃から、大作曲家としてようやく世に認められるようになる。以後リス卜の娘にしてハンス=フォン=ビューローの妻コジマを不倫の恋愛の末に奪ったり、ニーチェとの交流と決別を経験するなど様々なエピソードを残しながら精力的に傑作を発表。バイロイ卜に専用の劇場を建設し、年に一度開かれるバイロイ卜音楽祭は現在にいたるまで続いている。ただ、自身反ユダヤ主義者でもあり、ドイツ民族の音楽家として特にナチスドイツで称揚されたため、イスラエルでは公式の上演は事実上禁止されている。