スパルタ

ペロポネソス半島のラコニア地方にあったドーリア(ドーリス)人の代表的なポリス。前8世紀ころから近隣地域を征服し、前6世紀の半ばに貴族と平民を問わず征服地を再分配してスパルタ市民(完全市民)団の平等を実現するとともに、完全市民が商工業に従事するペリオイコイや、国有農奴であるヘロットを支配するためのリュクルゴス制度と言われる独特の国家体制を整えた。完全市民団の団結維持のため、完全市民の商工業への従事や土地の売買は禁止された。また、支配維持のため完全市民は強力な戦士であることを求められ、満6歳から家庭を離れて寄宿舎に入り、30歳になるまで集団訓練を受けることを原則とした。
ペルシア戦争前にはスパルタは、約8000人のスパルタ人が、その数倍のペリオイコイと十数倍のへロットを支配し、ペロポネソス半島の大半のポリスが参加するペロポネソス同盟の盟主となり、ペルシア戦争においてもヘラス連合軍の総指揮権を得た。