蔡倫(?-121)
後漢の宦官。樹皮・麻屑などを棒切れ・魚網などを用いて紙を漉く製紙法を開発した。(現在ではより以前の紙が発見されていて、製紙法の改良とされるが)人類史上の大発明である。それ以前は木簡・竹簡・絹布などが用いられていた。この製紙法はようやく751年のタラス河畔の戦いをきっかけにイスラム世界に伝わり、そしてヨーロッパへと西伝していく。彼自身は宦官として皇帝の擁立に暗躍し、班超を用いて北匈奴征伐や西域経営にあたらせたことで知られる和帝を帝位につけることに成功して栄華を誇った。しかし安帝の時には、かつて安帝の祖母を罪に落とした陰謀の張本人であったために帝に嫌われ、自殺に追い込まれてしまう。