スペンサー(1820-1903)

ダーウィン進化論を社会現象にもあてはめ、社会進化論を説いたイギリスの哲学者。科学と宗教を調停して科学者を宗教の呪縛からときはなったことでも有名である。しかし進化論の社会現象への適応は、特に19世紀末の欧米において俗化されて広まり、例えば適者生存や生存競争などの考えが、富める者の貧しいものへの優越、白色人種の有色人種への優越、ヨーロッパによるアジア・アフリカ植民地化の正当性などを弁護するものとして一般化されて、多大な悪影響を今に残している。